「いいんだけど、なんか違う」その違和感の正体
これまでたくさんの方のデザインをお手伝いしてきて、
何度も聞いてきた言葉があります。
「すごくいいと思うんです。でも、なんだかちょっと違う気がして…」
最初にこの言葉を聞いたとき、正直どう受け取っていいのか分かりませんでした。
いいと言っていただいている。
でも、どこか違う。
この“どこか”が分からないまま、もう一案を考える。
それは、暗闇の中で答えを探すような感覚に近いものがあります。
■ 私自身も、ずっと迷いながら進んできました
実は私自身も、昔は「なんとなく」で判断することが多いタイプでした。
いい気もするし、でもしっくりこない。
でも、それがなぜなのかは言葉にできない。
そんな状態のまま進んでしまって、
気づけば遠回りしていたこともたくさんあります。
だからこそ今は、
「この違和感はどこから来ているんだろう?」と
一度立ち止まって考えるようになりました。
■ 初回ヒアリングで感じること
初回のヒアリングを行うと、
ほとんどの方が「デザインの要望」をとても丁寧にお話ししてくださいます。
色、雰囲気、フォント、レイアウト…。
本当に細かく考えていらっしゃる方も多くて、
「こんなにしっかりイメージされているんだな」と、毎回感じます。
でも、ここでひとつだけ、
とても大切にしてほしいことがあります。
■ 一番大切なのは「何を得たいか」
デザインはゴールではなく、手段です。
・このデザインで何を伝えたいのか
・どんなお客様に届いてほしいのか
・その結果、どうなってほしいのか
ここが曖昧なままだと、
どんなに見た目が整っていても「なんか違う」につながってしまいます。
■ ワクワクと、少しの客観性
自分のためのデザインを考える時間は、
本当にワクワクしますよね。
「こんな雰囲気が好き」
「こういう世界観にしたい」
その気持ちはとても大切ですし、私も大好きです。
ただ同時に、少しだけ立ち止まってみてほしいのです。
そのデザインは、
「お客様にどう見えるか」という視点で考えられているかどうか。
■ お客様の感情と行動をイメージする
デザインを見たお客様に、
・どんな印象を持ってほしいのか
・どんな気持ちになってほしいのか
・そのあと、どんな行動をとってほしいのか
ここを一番大切に考えていただけると、
デザインの方向性はぐっと明確になります。
デザインの細かい要素は、
その後に整えていくものです。
■ 違和感には、ちゃんと理由があります
「なんか違う」の奥には、必ず理由があります。
・ターゲットとのズレ
・伝えたいことのぼやけ
・自分の好みとの混在
・周囲の意見による迷い
どれも自然なことです。
ただ、そのままにしてしまうと、
デザインはどんどん曖昧になってしまいます。
■ 一緒に「しっくりくる」を見つけていく
デザインは、どちらか一方が作るものではなく、
一緒に見つけていくものだと思っています。
「なんとなく違う」と感じたときは、
ぜひそのまま伝えてください。
そして、もし少しだけ余裕があれば、
「どのあたりが気になるのか」を一緒に探してみてください。
■ 「言葉にすること」
これまでたくさんの方と関わる中で感じているのは、
「言葉にすること」で見える景色が変わるということ。
遠回りのように見えて、
実は一番の近道だったりします。
これからも、ひとつひとつ丁寧に、
その人らしい「しっくりくる形」を一緒に作っていけたら嬉しいです。

