デザインの基本は、ビジネス文書にある

最近、お客様からのご依頼で、ビジネス文書の制作を定期的に行っています。

私自身、これまでチラシやフライヤーなど、主に画像を中心とした女性好みのかわいい系、華やかデザインを行なっていました。

写真の見せ方。
色の組み合わせ。
目を引くレイアウト。

そういった「見た目で伝えるデザイン」を意識することが多かったように思います。

だからこそ、最初はビジネス文書の制作を
「決まった形式に沿って情報を整える補助的な作業」
くらいに考えていました。

ある程度、型は決まっている。
文章の組み立ても経験がある。
それなりにきれいに配置すれば完成するものだと思っていました。

でも、制作を重ねるうちに、あることに気づきました。

「これこそ、デザインの基本なのではないか」と。

そして同時に気づいたことがあります。

文字だけで構成されたビジネス文書を、配布される環境を考慮して、
読みやすく、伝わりやすく、違和感なく仕上げることは、想像以上に難しいということ。

写真やイラストがない分、ごまかしがききません。

余白の取り方。
文字の配置。
全体のバランス。

一つ一つの細かな調整が、そのまま資料の印象につながります。

ビジネス文書は、ただ文字を入力して完成するものではありません。

誰が読むのか。
どんな場面で使われるのか。
この資料を通して何を伝えたいのか。

そこを考えながら、一つ一つ設計していきます。

制作中は、何度も何度も全体を俯瞰して確認します。

タイトルと本文の間の余白は均等になっているか。

文章の配置に違和感はないか。

句読点が行の端で不自然にはみ出していないか。

ページ全体の余白のバランスは整っているか。

枠の中に入る文字は、きちんと中心に配置されているか。

部分的に拡大して細かなズレを確認し、
また全体に戻って流れを見る。

細部を見ることと、全体を見ること。

その繰り返しです。

そこで改めて感じました。

デザインとは、写真や色で美しく見せることだけではない。

見る人が迷わないこと。
読む人に負担をかけないこと。
伝えたいことが、きちんと届く形に整えること。

それこそがデザインの原点なのだと思います。

15年以上デザインに携わってきた今、
文字だけのシンプルなビジネス文書を通して、
改めてデザインの基本を教えてもらった気がしています。